相続ニュース

2017年10月13日 金曜日

広大地評価の改正|来年から「地積規模の大きな宅地」に

 相続税贈与税を申告するに当たり、土地の評価は国税庁が定めたルールに従いますが、面積が広い土地の多くは、通常より評価が低く評価することが認められています。
 このことは専門家以外には詳しく知られていないでしょうが、来年から評価方法が大きく見直されます。

 財産評価のルールは、国税庁が「財産評価基本通達」で定めていますが、この通達改正することが先週に発表されました。
 「広大地」に関する定めを全面的に廃止して、新たな規定を設け、名称まで「地積規模の大きな宅地」に変更しています。

 実は通達改正に先立ち、国はパブリックコメントを募集するため、改正案が公表されており、そのことは数カ月前にも話題にしました。(その記事はこちら
 この手続きを経て正式な改正に至りましたが、市街地農地などが対象になると明記したこと以外、案からの変更はありませんでした。

 「地積規模の大きな宅地」に該当するためには、次の2つの要件を満たさなければなりません。
○地積要件:豊中市のような三大都市圏は500㎡以上
○地区要件:評価通達の「普通住宅地区」または「普通商業・併用住宅地区」に所在
→ ただし、次に該当すれば対象外
・市街化調整区域で開発行為が不可能
・都市計画法の工業専用地域
・指定容積率が10分の40以上の地域
 今年までの広大地では、要件の判断が難しかったのですが、基準が明確になっています。

 計算方法については、まず従来の広大地を示します。
○評価額 = 正面路線価 ×「広大地補正率」× 地積
・広大地補正率 = 0.6 - 0.05 × 地積/1,000

 一方、地積規模の大きな宅地は、土地取引の実態を踏まえて各土地の個性に応じて形状や面積に基づき評価する考えから、このように計算します。
○評価額 = 正面路線価 × 側方加算など × 奥行価格補正率 × 地積 × 不整形地補正率などの各種画地補正率 ×「規模格差補正率」
・規模格差補正率 =(地積×B+C)÷ 地積 × 0.8
 三大都市圏の     B と C
   500~1,000㎡  0.95  25
  1,000~3,000㎡  0.90  75
  3,000~5,000㎡  0.85  225
  5,000㎡以上    0.80  475

 この改正は、平成30年1月1日以後の相続や贈与により取得した土地に適用されます。今年12月までの相続などの場合は、従来どおりに取り扱われます。

 相続の時期を動かすことはできませんが、生前贈与をいつにするかは契約当事者が決められます。
そこで、所有している土地で「広大地」の適用が可能で、「地積規模の大きな宅地」としての評価と比べてみたところ、広大地の評価の方が大幅に低いとわかったとしましょう。
そのとき、平成29年のうちに子や孫に贈与してしまい、贈与税の特例として相続時精算課税制度を使って、将来の相続税を節税することも考えられるかもしれません。

 逆に、開発道路の負担がない土地やマンション適地は「広大地」の要件を満たさないのですが、「地積規模の大きな宅地」には該当する場合、生前贈与を来年まで待つ選択もあります。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、広い土地の評価はもちろん、相続税や贈与税の申告のお手伝いを積極的にさせていただきます。事前の相談も含め、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2017年9月29日 金曜日

相続税額の2割加算の対象|相続財産の寄付による非課税

 亡くなった方から相続などにより財産を取得したとき、全体の額が一定の規模以上の場合には、相続税の申告と納付が必要になってきます。
そのとき、配偶者(結婚相手)や以外の方に対しては、ほかの方に比べて、相続税額2割加算されて計算されます。
 遺産形成の貢献度合いの差、遺産取得の偶然性、孫に遺贈すると課税を1回とばすことが理由だと説明されています。

 そのため、亡くなった方の兄弟姉妹甥姪が相続人となった場合は、2割加算の対象になります。
 ひ孫、兄弟姉妹や甥姪が遺言で財産を受け取った場合も、血縁関係のない友人の場合も、やはり2割加算になります。

 もっとも、やひ孫であっても、子が先に亡くなったために代襲相続をする場合は、加算されません。
 そのほか、亡くなった方の養子については、子に該当するので、加算の対象になりませんが、孫が養子になっている場合(代襲相続である孫養子を除く)には、2割加算の対象になります。

 ここまでは相続税が増える話でしたが、減るどころか課税されない場合があることも、お伝えします。
 相続などで取得した財産を一定の公益法人などに寄付した場合には、その財産について相続税が非課税になる特例があります。

 この特例を受けるためには、次の要件をすべて満たす必要があります。
・寄付した財産は、相続や遺贈によって取得した財産であること。
・相続財産を相続税の申告書の提出期限までに寄附すること。
・寄付先が地方公共団体のほか、教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる特定公益法人(独立行政法人や社会福祉法人公益社団法人、一定の学校法人、日本赤十字社または認定NPO法人など)であること。
・相続税の申告書に一定の証明書類を添付すること。

 また、次の場合には、非課税の特例が受けられなくなりますので、ご注意ください。
・不動産や有価証券などを現金化してから寄付した場合
・寄付を受けた日から2年間の間に特定公益法人が公益を目的とする事業の用に使っていない場合
・寄付者又はその親族などの相続税又は贈与税の負担が結果的に不当減少することとなった場合

 なお、一定の要件を満たす場合には、相続税の非課税だけでなく、寄付をした相続人の所得税の確定申告で寄附金控除も可能になります。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続税の申告のお手伝いを積極的にさせていただきます。相談や試算も含め、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2017年9月15日 金曜日

民事信託で認知症になっても資産活用|家族の生活も設計

 民事信託や家族信託が相続対策として有効であるとの話が、新聞やテレビ報道でも最近、聞かれるようになっています。
しかし、仕組みや効果まで理解するのは難しいのではないでしょうか。

 信託というと、信託銀行が財産を預かって運用してくれるサービスがまず思い出されるでしょう。しかし、信託法が改正されて平成19年に新しい仕組みを使えるようになり、一般人に財産を託す「民事信託」を活用する可能性が広がりました。
 そして、先駆的な専門家の方々が、研究や検討を重ねて、実際に信託を始める事例が増えてきたのが現状です。一般人と言っても財産を託せるのは家族になることが多いため、「家族信託」という言葉が使われることもあります。

 例えば、賃貸物件をお持ちで自ら管理運用をしている方が、認知症になってからも従来どおり管理運用がされるように願うとします。
 遺言を残していても、それは死亡してからの話。
認知症になると、借入や修繕、新規入居者との契約が困難になります。成年後見制度を利用すると、従前とは異なる管理運用がされてしまうのが、現在の家庭裁判所の方針です。

 そこで、元気なうちに子どもの1人と信託契約を結び、賃貸物件の管理運用を「信じて託します。」 名義(不動産登記)もその子に移るのですが、賃貸の収益は引き続き、親が取得します。
親が認知症になっても、子が従来どおりの管理運用ができます。
 そして、自分が死亡したときに賃貸物件がその子に帰属することを、信託契約の中で定めておけば、収益も含めて不動産を受け継ぐことができます。こうすると、遺言を代用する効果が生じます。

 この民事信託は、認知症や障害がある家族がいて、その生活心配なとき、ほかの信頼できる家族に財産を管理してもらう場合にも、活用されます。
 実は2年前にこの相続ニュースにおいて、子どもが障害者であるときに民事信託を利用する方策を掲載したことがございます。(記事はこちら
 また、事業承継でも、後継者に経営を託しつつ、自分が指図する権利を保留するなど、経営者の希望に応じた設計が考えられます。

 実際に民事信託を設定するに当たっては、信託契約書に何を記載すべきか、信託登記の手続きが通るのか、金融機関が対応してくれるのか、税務上の問題がないか、そもそも託す相手を適切に選べられるのかなど、慎重に吟味しなければなりません。
そこで、民事信託に精通した専門家の協力が望まれます。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続に関して総合的に支援をしております。その一環として民事信託についても、ご希望をお聴きしてできる限り取り組んでまいります。
ご相談がございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2017年8月31日 木曜日

遺言の付言事項|残された人に想いが伝わるように

 自分が亡くなってから、自分の財産を思いどおりに受け継がせる代表的な方法は、遺言を作成することです。世の中で「終活」が認識されてきたことと合わせて、遺言を作成する方が増えていることは、統計にも表れています。
 とはいえ、いざ自分が書くとなると、実際に仕上げられる方はまだまだ少ない印象を持っています。
自分の思いどおりにすると、子どもの間=兄弟姉妹間で財産分けに差が生じてしまい、やはり書くのをためらうのでしょうか。

 このような場合には、遺言に「付言事項」を書き加えることをお勧めします。
 法律に反しない形であれば、遺言書に遺言事項以外のことも記載できます。そこで、遺言を作成する人が遺志を表明して、相続人の理解と協力を求めるなどの文言を付け足すものが「付言事項」です。
 この部分に法的な効力は生じませんので、いわばメッセージに近いものになるでしょう。

 もちろん、遺言の中心は、法的効果がある部分です。
「長男に3分の2、二男に3分の1の財産を相続させる。」
「私の一切の財産は、妻に相続させる。」
といった記載は、最低限必要になります。

 しかし、これだけで遺言が終わってしまっては、財産をもらえない相続人にとって、理由を遺言者本人に尋ねることもできず、疑心暗鬼になり、相続人間の紛争=「争族」の火種になりかねません。
 上の1つ目の例では、二男が長男の半分しかもらえないことに不満を覚えてもおかしくありません。

 そこで、付言事項として遺言の中で伝えるのです。
兄弟間でをつけざるを得なかった理由と、財産が少ない二男に対して「すまない」という気持ちを付しておけば、二男も受け入れやすいと思います。
 長男が個人事業を継承するのに不可欠な財産であるとか、生前に長男よりもたくさん贈与や資金援助を受けたといった理由に、二男が改めて気付くこともあるでしょう。

 不利な相続人にとって不満を和らげたり、さらには遺留分減殺請求を思い止まらせる効果が、付言事項にあるとされています。
 自分の想いを残される周りの人たちに対して、しっかりと形に残して伝えるのが、良いと考えます。

 付言事項で「兄弟仲良く元気に暮らしてください。」というようなことも書くことができます。
もっとも、法的効果は発生しないため、財産の移動も権利や義務も生じないことには、ご注意ください。

 豊中にあります岡本会計事務所では、遺言にまつわる相談や作成の支援を積極的にさせていただいています。
遺言について気になることがございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2017年8月 9日 水曜日

夏季休業のお知らせ|国税の救済制度の統計

 残暑の日差しが照りつける時間帯もあれば、夕立で雨が激しく降る時間帯もある日々が続いており、先日には台風が近畿地方を通過しましたが、みなさまが健やかに過ごされていることを願っています。
 税理士法人 岡本会計事務所の夏季休業は次のとおりです。休業中はFAXまたは電子メールなどを送っていただければ、休み明けに準備が整い次第、ご連絡いたします。
8月11日(金・祝)~15日(火)

 さて、国に納める税金には、相続税や贈与税、所得税や法人税、消費税などがあります。その国税について、税額がもっと多くなるはずと税務署から指摘されても、受けた課税処分に納得いかない場合もあるでしょう。
滞納関係も含め、国税に関する処分を見直すように求めることは、手間と時間はかかりますが、納税者の権利として保障されています。
 この救済制度の平成28年度の統計が、すでに今年6月に公表されましたので、少し紹介します。

 かつて救済制度の第一段階は「異議申立て」でしたが、平成28年4月以降の処分を対象に「再調査の請求」に改められました。税務署長などの処分者に対して、取消しや変更を求めるものです。
 統計によると、この第一段階の件数は1,674件で、前年度の27年度より47.5%減少しました。このうち、相続税と贈与税を合わせた件数は140件となっています。
 また、28年度の異議申立ての処理件数は1,805件で、税目の内訳まで公表されていませんが、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数は123件とされており、全体に占める割合は6.8%となっていました。

 次に第二段階として、「審査請求」があります。これは国税不服審判所に対して見直しを求める手続で、28年度から再調査の請求を経ずに、直接行えるようになりました。
 28年度における審査請求の件数は2,488件であり、前年度より18.6%増加しました。このうち相続税と贈与税の件数は172件でした。再調査の請求をせずに審査請求を行う人が増えていると考えられます。
また、審査請求の処理件数1,959件のうち、納税者の主張が何らか受け入れられた件数は241件で、割合は12.3%でした。

 最後の第三段階は、審査請求でも不満が残るとき、裁判所に対して「訴訟」を起こして処分の是正を求めます。
 28年度の訴訟の発生件数は230件で、わずかに減っており、このうち相続税と贈与税の件数は28件でした。
また、訴訟の終結件数245件のうち、納税者が全部または一部勝訴したものは11件で、割合は4.5%でした。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、審査請求などの救済制度についても、ご希望をよくお聴きして、できる限り取り組んでまいります。フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、お問い合わせください。

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