相続ニュース

2016年5月27日 金曜日

空き家の相続に係る譲渡所得の特例|老人ホーム入居に注意

 平成28年度税制改正により、相続で取得した空き家やその敷地を今年4月以降に売却などした場合、譲渡に対する所得税住民税を軽減する特例が創設されています。
軽減の内容は、譲渡所得の金額について3千万円控除するものです。

 この特例の適用を受けるには、いくつもの細かい要件を満たさないといけません。主なものを下に挙げてみます。
・昭和56年5月以前に建築された家屋やその敷地が対象
・亡くなった方が直前まで住んでいたこと
 =相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた
・亡くなった方以外に居住する人がいなかったこと
・相続時から譲渡時まで、事業・貸付・居住の用に使わなかった
・次のどれかに該当すること
  家屋を耐震改修する
  家屋がもともと耐震基準を満たしている
  家屋を取り壊して更地にする
・相続開始から3年を経過する日の年末までに譲渡
・譲渡価額は合計1億円以内
・マンションは適用不可能

 新しい制度のため、規定の整備がされたのも最近なのですが、状況によっては特例の適用ができないとわかってきたため、注意すべき点を2つ紹介します。

 まず、亡くなった方の居住に関して、老人ホームなどの介護施設に入所していたため、自宅がすでに空き家になっていて、相続が生じると、この特例は使えません
居住というのを生活の本拠がどこにあるのか判断するためで、老人ホームに入所すると、生活の本拠が元の自宅から老人ホームへ移ってしまうことになります。
 別の税金ですが、相続税の小規模宅地等の特例のうち、居住用宅地を対象にするものについては、税金を軽減する特例を使える可能性があります。自宅から老人ホームへ移った後でも、要介護認定などを受けていて、自宅を別の用途に使っていない限り、他の要件を満たせば特例の対象になるよう、規定整備がなされてきました。
そのため、現在のところ、2つの特例制度の間に違いが出ています。

 それから、譲渡した時の対価の額が合計1億円以内でないと、特例が適用できないのですが、居住用だった家屋と一体として亡くなった方の居住の用に供されていた家屋土地が合算の対象になります。
 一体となる不動産を分割して売却した場合でも、それぞれの不動産の売却代金を合計して1億円を超えると、特例が使えません。
一部の不動産を売却して特例を使った後、年をまたいで残りを売った結果が合計1億円を超えると、前の所得税で特例が使えなくなるため、修正申告と税の差額を納付しなければなりません。
 また、「譲渡」には、贈与低額譲渡が含まれます。そして、このときの価額は、通常の取引価額(時価)が使われます。実際に受け取った金銭ではなく、計算上の時価の合計が1億円を超えると、特例が適用できません。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続に関する総合的な視点も踏まえ、所得税にも目を配った支援をいたします。
お困りのことがございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2016年5月20日 金曜日

死亡した人の市役所への納税義務|固定資産税と住民税

 当事務所では相続関係のお仕事を受けておりますが、そのお客様から次のような質問を受けることがあります。
「 すでに亡くなった家族に対して、今までどおり市役所から税金を払うように通知が来ました。私たちが払わないといけないのでしょうか?」

 まず不動産所有する人に対して課される固定資産税。この通知が納付書と一緒に、5月(市町村によっては、4月の場合もあります。)に届くことになります。
市役所が通知する相手方は、その年の1月1日現在に不動産を所有する人で、登記名義が誰かで判断されます。

 そのため、今年になってから亡くなると、その人は市役所に固定資産税を支払う債務を残したままになります。相続が生じた後の債務は、相続人が支払う義務がありますので、通知や納付期日が後になっても、相続人が固定資産税をすべて納めなければなりません。

 すでに前年に亡くなっていても、不動産登記の名義変更手続きをしていないと、やはり亡くなった人あてに通知が届きます。この場合、今年1月1日に不動産を現に所有する人、つまり相続人が固定資産税の納税義務者になるべきなので、相続人が納める必要があります。

 なお、相続人のうち誰が不動産を所有するかが決まって不動産登記ができるまでは、市役所から「相続人代表者指定届」(市町村によって名称などは異なります。)を提出するように求められます。提出後、この代表者に対して固定資産税の通知が届くようになります。

 それから、前年所得があった人にかかるのが住民税。給料以外はたいていの場合、6月に通知と納付書が届いて、支払うことになります。(この方法を普通徴収と呼んでいます。)
市役所が通知する相手方は、その年の1月1日にその市に住所地がある人です。

 そのため、1月1日に生存していた人には、住民税の納税義務が生じます。その後に亡くなっても、債務は相続人が引き継ぎますので、相続人が住民税を丸々納めなければなりません。
 逆に、前年に亡くなった人に対しては、今年の住民税は課税されません。納税通知書が届くこともありません。

 結論として、相続人が複数いるときに誰が負担するかの問題はあるにしても、相続人のどなたかが固定資産税と住民税を支払うことになります。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、税金のことを含め、相続に関して総合的に支援をいたします。
相続でお困りのことがございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2016年5月11日 水曜日

相続放棄と熟慮期間|家庭裁判所へ伝えれば延長可能

 身近に亡くなった方がおられて相続が発生するときは、相続人は一切の財産債務を引き続くことになります。そのため、現預金や不動産といった財産だけでなく、借金を負っていた場合には、その債務も含めて相続することになります。

 相続人が借金等の債務を引き継ぎたくない場合は、「相続放棄」をすることで、引き継がないことができますが、同時に、現預金や不動産の財産も引き継がないことになります。
 また、亡くなった人の借金がどの程度あるか不明で、財産が残る可能性がある場合などは「限定承認」を相続人が全員ですることによって、相続によって得た財産を限度に債務を引き継ぐようにできます。

 相続人がこの相続放棄や限定承認をする場合には、原則として、相続の開始があったことを知った時(通常は相続開始日)から、3カ月以内家庭裁判所に「申述」という手続きをする必要があります。
 この期間のことを「熟慮期間」と言いますが、約90日間となりますので、法事の「四十九日」の時点で、すでに半分を経過しています。そこから落ち着いて亡くなった人の財産債務を調べては、慌てて判断する必要に迫られてしまいます。

 そこで、財産調査に時間がかかることを理由に、家庭裁判所に対して熟慮期間を延長するよう請求する「熟慮期間の伸長の申立て」の手続きを予めしておいて、裁判所が認めてくれれば、熟慮期間が延長されます。
3カ月延長して合わせて6カ月以内に、相続放棄すべきかどうか判断することは、よくなされているようです。

 この熟慮期間について、熊本地震に係る特例により、熊本県に住所を有していた相続人の方は、平成28年12月28日まで延長されています。
 なお、相続放棄について扱った記事は、約1年前に掲載したことがあります。(内容はこちら

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