遺言、相続、遺産整理

2018年3月28日 水曜日

準確定申告は4カ月以内|相続人の青色申告承認申請も注意

 身近な方がお亡くなりになったとき、納める必要がある税金の代表格は相続税で、このホームページでも中心に扱っています。
 しかし、相続税よりも早く納めなけなければならない税金もございます。所得税準確定申告が該当します。売上が多かった方だと、消費税の準確定申告も義務になるかもしれません。

 所得税に話を絞らせてもらいますと、通常の確定申告では、毎年1月から12月までの所得について、翌年の2月16日から3月15日までの間に申告と納税をします。
ところが、申告をする必要のある方が年の途中で亡くなった場合、相続人が代わりに申告書の提出や納税の手続きを行う必要があります。
 この手続きを「準確定申告」といい、亡くなった方の1月1日から死亡日までの所得について、相続の開始があったことを知った日(通常は死亡日)の翌日から4カ月以内申告納税をします。
申告書の提出先は、亡くなった方の住所地を管轄する税務署になります。また、相続人が複数いる場合は原則、各相続人が連署により申告書を提出する必要があります。

 亡くなった方が高額の医療費を支払っており、医療費控除を適用できる場合など、源泉徴収などで生前に納めた所得税について還付を受けられることも、通常の確定申告と共通しています。
ただし、医療費などで控除できるのは、亡くなる日までに支払った分に限られます。
 4カ月の期限ですが、税額が生じる場合や青色申告特別控除として65万円を控除する場合には守るべきものです。しかし、そうでない還付申告ならば、期限は定められておらず、4カ月を超えても申告することができます。

 さて、個人事業や賃貸不動産を受け継がれた相続人の方にも、相続特有の手続きが発生します。
 亡くなった方が所得税の青色申告をしていても、相続人へ当然に引き継がれるわけではありません。
相続人が青色申告を続けるには、次の区分ごとに定まった期限までに、「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。
・相続開始が 1月1日~ 8月31日 → 相続開始の日から4カ月
・相続開始が 9月1日~10月31日 → その年の12月31日
・相続開始が11月1日~12月31日 → 翌年2月15日
 もし申請を期限までにできないと、相続直後は白色申告になり、3月15日までに承認申請をした年の分から青色申告になってしまいます。

 相続人の消費税については、課税事業者選択届出書や簡易課税選択届出書の提出期限が原則、相続開始の年の12月31日となります。(例外は割愛)

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続に関する総合的な視点も踏まえ、所得税などの申告にも目を配った支援をいたします。
お困りのことがございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2017年10月31日 火曜日

相続人がわからない|名義変更手続きにも必要な戸籍収集

 前回の記事では、不動産の登記名義が故人のまま放置され、所有者が簡単にはわからない問題を紹介しました。(→内容はこちら
 優遇措置がどうなるかはともかく、故人の子孫が問題を認識して、現在の所有者に名義を移そうとする段階について話題にします。

 相続が発生するたびに、きちんと遺産分割協議書や遺言が残っていることは稀で、誰がその不動産を相続するのかを示す文書を新たに作る必要があります。
 すると、子孫全員の署名や実印押印を求めることになるのですが、孫の世代=いとこ同士、ひ孫の世代=はとこ同士。
が相続人で何人いるのか、どこに住んでいるかわからないという事態も生じます。

 相続人の全体像を判明させるには、役所から戸籍謄本を取り寄せて、読み解いていく地道な作業を要します。
 通常必要になるのは、名義人の出生から死亡までの戸籍謄本、すでに亡くなった子孫のやはり死亡までの戸籍謄本、存命する子孫の現在戸籍で、何通も(場合によれば何十通も)集めることになります。
 話を先取りしますが、不動産登記手続きにおいても、収集した戸籍を提出しなければなりません。法定相続情報証明制度(紹介記事はこちら)を利用しようとしても、必ず1回は、戸籍収集の作業をしなければなりません。

 戸籍によって相続人を特定できれば、次は連絡先を把握します。
 戸籍謄本には連絡先が記載されていませんが、本籍地の役所では「戸籍の附票」が作られ、戸籍に在籍する人の住所地が記録されます。
 そのため、戸籍の附票を入手すると、住所がわかります。そして、手紙や訪問により連絡を取ることができます。
もっとも、相続により不動産を所有することを認めてもらうため、お願いをする交渉の始まりにもなります。

 こうした問題は、亡くなった方に子どもがいなくて、親戚付き合いは薄かったときにも起こり得ます。
子も孫もいなくて、親が亡くなっていると、兄弟姉妹が相続人になり、その兄弟姉妹が亡くなっていると、その子である相続人になります。遺言書を書かないと、いとこ同士で相続手続きを進めることになりますが、存在すらわかっていない可能性もあります。
 戸籍を収集するに当たり、亡くなった方のみならず、その両親の出生から死亡までの戸籍を入手して、兄弟姉妹を特定します。
片方の親が異なる(異父母)兄弟姉妹も相続人になりますので、漏れが無いよう収集しなければなりません。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続人を確定するための調査から、相続税の申告を含め、相続に関して総合的に支援をいたします。
相続のご相談がございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2017年9月15日 金曜日

民事信託で認知症になっても資産活用|家族の生活も設計

 民事信託や家族信託が相続対策として有効であるとの話が、新聞やテレビ報道でも最近、聞かれるようになっています。
しかし、仕組みや効果まで理解するのは難しいのではないでしょうか。

 信託というと、信託銀行が財産を預かって運用してくれるサービスがまず思い出されるでしょう。しかし、信託法が改正されて平成19年に新しい仕組みを使えるようになり、一般人に財産を託す「民事信託」を活用する可能性が広がりました。
 そして、先駆的な専門家の方々が、研究や検討を重ねて、実際に信託を始める事例が増えてきたのが現状です。一般人と言っても財産を託せるのは家族になることが多いため、「家族信託」という言葉が使われることもあります。

 例えば、賃貸物件をお持ちで自ら管理運用をしている方が、認知症になってからも従来どおり管理運用がされるように願うとします。
 遺言を残していても、それは死亡してからの話。
認知症になると、借入や修繕、新規入居者との契約が困難になります。成年後見制度を利用すると、従前とは異なる管理運用がされてしまうのが、現在の家庭裁判所の方針です。

 そこで、元気なうちに子どもの1人と信託契約を結び、賃貸物件の管理運用を「信じて託します。」 名義(不動産登記)もその子に移るのですが、賃貸の収益は引き続き、親が取得します。
親が認知症になっても、子が従来どおりの管理運用ができます。
 そして、自分が死亡したときに賃貸物件がその子に帰属することを、信託契約の中で定めておけば、収益も含めて不動産を受け継ぐことができます。こうすると、遺言を代用する効果が生じます。

 この民事信託は、認知症や障害がある家族がいて、その生活心配なとき、ほかの信頼できる家族に財産を管理してもらう場合にも、活用されます。
 実は2年前にこの相続ニュースにおいて、子どもが障害者であるときに民事信託を利用する方策を掲載したことがございます。(記事はこちら
 また、事業承継でも、後継者に経営を託しつつ、自分が指図する権利を保留するなど、経営者の希望に応じた設計が考えられます。

 実際に民事信託を設定するに当たっては、信託契約書に何を記載すべきか、信託登記の手続きが通るのか、金融機関が対応してくれるのか、税務上の問題がないか、そもそも託す相手を適切に選べられるのかなど、慎重に吟味しなければなりません。
そこで、民事信託に精通した専門家の協力が望まれます。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続に関して総合的に支援をしております。その一環として民事信託についても、ご希望をお聴きしてできる限り取り組んでまいります。
ご相談がございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2017年8月31日 木曜日

遺言の付言事項|残された人に想いが伝わるように

 自分が亡くなってから、自分の財産を思いどおりに受け継がせる代表的な方法は、遺言を作成することです。世の中で「終活」が認識されてきたことと合わせて、遺言を作成する方が増えていることは、統計にも表れています。
 とはいえ、いざ自分が書くとなると、実際に仕上げられる方はまだまだ少ない印象を持っています。
自分の思いどおりにすると、子どもの間=兄弟姉妹間で財産分けに差が生じてしまい、やはり書くのをためらうのでしょうか。

 このような場合には、遺言に「付言事項」を書き加えることをお勧めします。
 法律に反しない形であれば、遺言書に遺言事項以外のことも記載できます。そこで、遺言を作成する人が遺志を表明して、相続人の理解と協力を求めるなどの文言を付け足すものが「付言事項」です。
 この部分に法的な効力は生じませんので、いわばメッセージに近いものになるでしょう。

 もちろん、遺言の中心は、法的効果がある部分です。
「長男に3分の2、二男に3分の1の財産を相続させる。」
「私の一切の財産は、妻に相続させる。」
といった記載は、最低限必要になります。

 しかし、これだけで遺言が終わってしまっては、財産をもらえない相続人にとって、理由を遺言者本人に尋ねることもできず、疑心暗鬼になり、相続人間の紛争=「争族」の火種になりかねません。
 上の1つ目の例では、二男が長男の半分しかもらえないことに不満を覚えてもおかしくありません。

 そこで、付言事項として遺言の中で伝えるのです。
兄弟間でをつけざるを得なかった理由と、財産が少ない二男に対して「すまない」という気持ちを付しておけば、二男も受け入れやすいと思います。
 長男が個人事業を継承するのに不可欠な財産であるとか、生前に長男よりもたくさん贈与や資金援助を受けたといった理由に、二男が改めて気付くこともあるでしょう。

 不利な相続人にとって不満を和らげたり、さらには遺留分減殺請求を思い止まらせる効果が、付言事項にあるとされています。
 自分の想いを残される周りの人たちに対して、しっかりと形に残して伝えるのが、良いと考えます。

 付言事項で「兄弟仲良く元気に暮らしてください。」というようなことも書くことができます。
もっとも、法的効果は発生しないため、財産の移動も権利や義務も生じないことには、ご注意ください。

 豊中にあります岡本会計事務所では、遺言にまつわる相談や作成の支援を積極的にさせていただいています。
遺言について気になることがございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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2017年6月22日 木曜日

法定相続情報証明制度|必要な戸籍の部数が減る期待

 相続が生じたときに名義変更の手続きを進めるに当たって、避けられないのが戸籍を入手することです。そして、各地の法務局や銀行などの金融機関に対して、取り扱う箇所ごとに入手した戸籍を提出しなければならず、通常は同じ戸籍を何通も用意しておくものです。

 このような相続と戸籍に関連して、先月29日に法務省が新しい制度の運用を開始しました。
 この制度を作る計画があると、約1年前にここで情報をお伝えしたことがあります。(その内容はこちら
制度そのものの概要は計画から変わっておらず、法務省がホームページに掲載しています。(リンク先はこちら

 手続きの流れは、次のようになります。
・相続人が市町村から戸籍収集する点は、従来と同じです。
・それを基に「法定相続情報一覧図」を相続人が作成します。
・登記所(法務局)に手続きを申し出ます。(戸籍や一覧図を添付)
・法務局の登記官が内容を確認します。
・戸籍を返却、法定相続情報一覧図の写しの交付を受けます。
* 行政書士や税理士などに手続きを依頼することも可能です。

 政府のねらいは、次のとおりです。
 相続登記が放置されると、所有者不明土地問題や空き家問題を生じさせる要因の1つとなります。そこで、相続登記を促進させるために、戸籍関係書類を集めて提出する手間を省力化して、手続的な負担を軽減させます。

 ただし、戸籍を取り寄せる必要が無くなったわけではありません。最低1部は市町村から入手しないといけません。
亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人の戸籍をそろえる必要があることは、変わりありません。亡くなった人に子がなくて兄弟姉妹が相続人になる場合は、様々な戸籍を何十通も集めてくることも起こります。
 そのため、戸籍を集める部数が減っても、さほど相続手続きは楽にならないとの意見もあります。
 しかも、遺産分割協議相続放棄の手続きや書類を省略できるわけではありません。

 肝心なのは、交付を受けた「法定相続情報一覧図の写し」が戸籍一式の代わりに使えることです。
 法務局はどこでも使えるので、申し出た登記所と管轄が異なる不動産の相続手続きに利用できます。
 金融機関(銀行・証券会社など)で使えるかどうかは任意となっており、各機関の個別判断に委ねられます。すでに使えると表明しているところは、あるにはあります。
 このほか、相続税申告を受け取る税務署の対応がまだのように、現時点では利用できるところが一部分に限られますが、これから広がっていくものと思われます。
 なお、遺産に不動産がなく、預貯金などのみの場合にも、この制度の利用は可能です。

 そもそも、相続手続きで様々な戸籍を集める目的は、手続きをする人が相続人であることを示すのみならず、ほかには相続人が一切いないことも証明するためです。
 最初の法務局がすでに相続関係を証明しているので、金融機関などほかの場所で確認する必要がなく、早く手続きを済ませられることが、軽減と言えば軽減でしょう。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続人を確定するための調査から、相続税の申告を含め、相続に関して総合的に支援をいたします。
相続のご相談がございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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