遺言、相続、遺産整理

2017年10月31日 火曜日

相続人がわからない|名義変更手続きにも必要な戸籍収集

 前回の記事では、不動産の登記名義が故人のまま放置され、所有者が簡単にはわからない問題を紹介しました。(→内容はこちら
 優遇措置がどうなるかはともかく、故人の子孫が問題を認識して、現在の所有者に名義を移そうとする段階について話題にします。

 相続が発生するたびに、きちんと遺産分割協議書や遺言が残っていることは稀で、誰がその不動産を相続するのかを示す文書を新たに作る必要があります。
 すると、子孫全員の署名や実印押印を求めることになるのですが、孫の世代=いとこ同士、ひ孫の世代=はとこ同士。
が相続人で何人いるのか、どこに住んでいるかわからないという事態も生じます。

 相続人の全体像を判明させるには、役所から戸籍謄本を取り寄せて、読み解いていく地道な作業を要します。
 通常必要になるのは、名義人の出生から死亡までの戸籍謄本、すでに亡くなった子孫のやはり死亡までの戸籍謄本、存命する子孫の現在戸籍で、何通も(場合によれば何十通も)集めることになります。
 話を先取りしますが、不動産登記手続きにおいても、収集した戸籍を提出しなければなりません。法定相続情報証明制度(紹介記事はこちら)を利用しようとしても、必ず1回は、戸籍収集の作業をしなければなりません。

 戸籍によって相続人を特定できれば、次は連絡先を把握します。
 戸籍謄本には連絡先が記載されていませんが、本籍地の役所では「戸籍の附票」が作られ、戸籍に在籍する人の住所地が記録されます。
 そのため、戸籍の附票を入手すると、住所がわかります。そして、手紙や訪問により連絡を取ることができます。
もっとも、相続により不動産を所有することを認めてもらうため、お願いをする交渉の始まりにもなります。

 こうした問題は、亡くなった方に子どもがいなくて、親戚付き合いは薄かったときにも起こり得ます。
子も孫もいなくて、親が亡くなっていると、兄弟姉妹が相続人になり、その兄弟姉妹が亡くなっていると、その子である相続人になります。遺言書を書かないと、いとこ同士で相続手続きを進めることになりますが、存在すらわかっていない可能性もあります。
 戸籍を収集するに当たり、亡くなった方のみならず、その両親の出生から死亡までの戸籍を入手して、兄弟姉妹を特定します。
片方の親が異なる(異父母)兄弟姉妹も相続人になりますので、漏れが無いよう収集しなければなりません。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続人を確定するための調査から、相続税の申告を含め、相続に関して総合的に支援をいたします。
相続のご相談がございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

投稿者 税理士法人 岡本会計事務所 | 記事URL

2017年9月15日 金曜日

民事信託で認知症になっても資産活用|家族の生活も設計

 民事信託や家族信託が相続対策として有効であるとの話が、新聞やテレビ報道でも最近、聞かれるようになっています。
しかし、仕組みや効果まで理解するのは難しいのではないでしょうか。

 信託というと、信託銀行が財産を預かって運用してくれるサービスがまず思い出されるでしょう。しかし、信託法が改正されて平成19年に新しい仕組みを使えるようになり、一般人に財産を託す「民事信託」を活用する可能性が広がりました。
 そして、先駆的な専門家の方々が、研究や検討を重ねて、実際に信託を始める事例が増えてきたのが現状です。一般人と言っても財産を託せるのは家族になることが多いため、「家族信託」という言葉が使われることもあります。

 例えば、賃貸物件をお持ちで自ら管理運用をしている方が、認知症になってからも従来どおり管理運用がされるように願うとします。
 遺言を残していても、それは死亡してからの話。
認知症になると、借入や修繕、新規入居者との契約が困難になります。成年後見制度を利用すると、従前とは異なる管理運用がされてしまうのが、現在の家庭裁判所の方針です。

 そこで、元気なうちに子どもの1人と信託契約を結び、賃貸物件の管理運用を「信じて託します。」 名義(不動産登記)もその子に移るのですが、賃貸の収益は引き続き、親が取得します。
親が認知症になっても、子が従来どおりの管理運用ができます。
 そして、自分が死亡したときに賃貸物件がその子に帰属することを、信託契約の中で定めておけば、収益も含めて不動産を受け継ぐことができます。こうすると、遺言を代用する効果が生じます。

 この民事信託は、認知症や障害がある家族がいて、その生活心配なとき、ほかの信頼できる家族に財産を管理してもらう場合にも、活用されます。
 実は2年前にこの相続ニュースにおいて、子どもが障害者であるときに民事信託を利用する方策を掲載したことがございます。(記事はこちら
 また、事業承継でも、後継者に経営を託しつつ、自分が指図する権利を保留するなど、経営者の希望に応じた設計が考えられます。

 実際に民事信託を設定するに当たっては、信託契約書に何を記載すべきか、信託登記の手続きが通るのか、金融機関が対応してくれるのか、税務上の問題がないか、そもそも託す相手を適切に選べられるのかなど、慎重に吟味しなければなりません。
そこで、民事信託に精通した専門家の協力が望まれます。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続に関して総合的に支援をしております。その一環として民事信託についても、ご希望をお聴きしてできる限り取り組んでまいります。
ご相談がございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

投稿者 税理士法人 岡本会計事務所 | 記事URL

2017年8月31日 木曜日

遺言の付言事項|残された人に想いが伝わるように

 自分が亡くなってから、自分の財産を思いどおりに受け継がせる代表的な方法は、遺言を作成することです。世の中で「終活」が認識されてきたことと合わせて、遺言を作成する方が増えていることは、統計にも表れています。
 とはいえ、いざ自分が書くとなると、実際に仕上げられる方はまだまだ少ない印象を持っています。
自分の思いどおりにすると、子どもの間=兄弟姉妹間で財産分けに差が生じてしまい、やはり書くのをためらうのでしょうか。

 このような場合には、遺言に「付言事項」を書き加えることをお勧めします。
 法律に反しない形であれば、遺言書に遺言事項以外のことも記載できます。そこで、遺言を作成する人が遺志を表明して、相続人の理解と協力を求めるなどの文言を付け足すものが「付言事項」です。
 この部分に法的な効力は生じませんので、いわばメッセージに近いものになるでしょう。

 もちろん、遺言の中心は、法的効果がある部分です。
「長男に3分の2、二男に3分の1の財産を相続させる。」
「私の一切の財産は、妻に相続させる。」
といった記載は、最低限必要になります。

 しかし、これだけで遺言が終わってしまっては、財産をもらえない相続人にとって、理由を遺言者本人に尋ねることもできず、疑心暗鬼になり、相続人間の紛争=「争族」の火種になりかねません。
 上の1つ目の例では、二男が長男の半分しかもらえないことに不満を覚えてもおかしくありません。

 そこで、付言事項として遺言の中で伝えるのです。
兄弟間でをつけざるを得なかった理由と、財産が少ない二男に対して「すまない」という気持ちを付しておけば、二男も受け入れやすいと思います。
 長男が個人事業を継承するのに不可欠な財産であるとか、生前に長男よりもたくさん贈与や資金援助を受けたといった理由に、二男が改めて気付くこともあるでしょう。

 不利な相続人にとって不満を和らげたり、さらには遺留分減殺請求を思い止まらせる効果が、付言事項にあるとされています。
 自分の想いを残される周りの人たちに対して、しっかりと形に残して伝えるのが、良いと考えます。

 付言事項で「兄弟仲良く元気に暮らしてください。」というようなことも書くことができます。
もっとも、法的効果は発生しないため、財産の移動も権利や義務も生じないことには、ご注意ください。

 豊中にあります岡本会計事務所では、遺言にまつわる相談や作成の支援を積極的にさせていただいています。
遺言について気になることがございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

投稿者 税理士法人 岡本会計事務所 | 記事URL

2017年6月22日 木曜日

法定相続情報証明制度|必要な戸籍の部数が減る期待

 相続が生じたときに名義変更の手続きを進めるに当たって、避けられないのが戸籍を入手することです。そして、各地の法務局や銀行などの金融機関に対して、取り扱う箇所ごとに入手した戸籍を提出しなければならず、通常は同じ戸籍を何通も用意しておくものです。

 このような相続と戸籍に関連して、先月29日に法務省が新しい制度の運用を開始しました。
 この制度を作る計画があると、約1年前にここで情報をお伝えしたことがあります。(その内容はこちら
制度そのものの概要は計画から変わっておらず、法務省がホームページに掲載しています。(リンク先はこちら

 手続きの流れは、次のようになります。
・相続人が市町村から戸籍収集する点は、従来と同じです。
・それを基に「法定相続情報一覧図」を相続人が作成します。
・登記所(法務局)に手続きを申し出ます。(戸籍や一覧図を添付)
・法務局の登記官が内容を確認します。
・戸籍を返却、法定相続情報一覧図の写しの交付を受けます。
* 行政書士や税理士などに手続きを依頼することも可能です。

 政府のねらいは、次のとおりです。
 相続登記が放置されると、所有者不明土地問題や空き家問題を生じさせる要因の1つとなります。そこで、相続登記を促進させるために、戸籍関係書類を集めて提出する手間を省力化して、手続的な負担を軽減させます。

 ただし、戸籍を取り寄せる必要が無くなったわけではありません。最低1部は市町村から入手しないといけません。
亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人の戸籍をそろえる必要があることは、変わりありません。亡くなった人に子がなくて兄弟姉妹が相続人になる場合は、様々な戸籍を何十通も集めてくることも起こります。
 そのため、戸籍を集める部数が減っても、さほど相続手続きは楽にならないとの意見もあります。
 しかも、遺産分割協議相続放棄の手続きや書類を省略できるわけではありません。

 肝心なのは、交付を受けた「法定相続情報一覧図の写し」が戸籍一式の代わりに使えることです。
 法務局はどこでも使えるので、申し出た登記所と管轄が異なる不動産の相続手続きに利用できます。
 金融機関(銀行・証券会社など)で使えるかどうかは任意となっており、各機関の個別判断に委ねられます。すでに使えると表明しているところは、あるにはあります。
 このほか、相続税申告を受け取る税務署の対応がまだのように、現時点では利用できるところが一部分に限られますが、これから広がっていくものと思われます。
 なお、遺産に不動産がなく、預貯金などのみの場合にも、この制度の利用は可能です。

 そもそも、相続手続きで様々な戸籍を集める目的は、手続きをする人が相続人であることを示すのみならず、ほかには相続人が一切いないことも証明するためです。
 最初の法務局がすでに相続関係を証明しているので、金融機関などほかの場所で確認する必要がなく、早く手続きを済ませられることが、軽減と言えば軽減でしょう。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続人を確定するための調査から、相続税の申告を含め、相続に関して総合的に支援をいたします。
相続のご相談がございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

投稿者 税理士法人 岡本会計事務所 | 記事URL

2017年5月25日 木曜日

面倒な相続手続き|各分野の専門家に依頼する場合

 親または結婚相手が亡くなると、相続の手続きをすることが欠かせません。しかし、その手続きは様々必要になり、面倒であるのが正直なところです。
当所のお客様からも、相続の手続きをどのように段取りして進めたらよいかがわからないという声を聞きます。わからないまま半年以上何も手をつけられなかった方々もおられるでしょう。

 まず、財産を遺族が引き継ぐための手続きを紹介します。
 そもそも民法で定められた相続人が誰かを確定させなければなりません。
それには、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を取得して、相続人自身の戸籍も確かめることになります。結婚などで本籍地を変更されると、遡って各地の市町村に照会したところ、膨大な枚数の戸籍が集まることもあります。

 そして、財産の把握も必要になります。
預貯金が複数の金融機関に散らばるため、口座の存在を見つけにくかったり、ふるさとの先祖代々の土地について詳しくなかったりします。そこで、様々な資料を収集してくることになります。
 こうした調査は、大変な作業になることもありますので、行政書士などに頼むことが可能です。当事務所では、相続人や財産の状況にもよりますが、基本的に数万円から十何万円ほどで対応しております。

 次に、調査結果に基づき、相続人のうち誰がどの財産を受け継ぐかを決める手続きがあります。
 遺言できっちり指示されていれば、それに従うことになります。
しかし、遺言がない場合、相続人が全員で話し合う必要があります。そして、「遺産分割協議書」という書面を作成して、全員が署名して実印を押すことが求められます。
 自力で協議書を作れない場合、やはり行政書士に依頼することができます。当事務所では、財産規模に応じて変動しますが、数万円から十数万円ほどで対応しています。

 その後、個別の遺産の名義を変更する手続きに移ります。
不動産登記を始め、預貯金や有価証券、自動車などが対象になります。手続きに必要となる添付書類もたくさん求められます。
 名義変更の手続きを専門家に依頼する場合、不動産登記は必ず司法書士に頼まなければなりません。法務局へ支払う登録免許税と司法書士自身の報酬を合わせた費用は、少なくとも十万円にはなるようです。

 こうした手続きの流れとは別に、遺産が多くある場合には相続税を申告する手続きが無視できません。
平成27年に相続税が増税になったため、申告が必要になる遺産総額の下限の目安は、4~5千万円といったところでしょう。
 さらに、結婚相手を対象にした税額の軽減や一定の自宅敷地を対象にした評価の特例は、相続税の申告書を提出してはじめて認められます。

 相続税の申告書は枚数が多く、財産評価や特例の判断も大変な作業になり、税額の算出も複雑です。しかも、原則は死後10カ月以内に済ませなければなりません。
独力でまとめるのは大変に困難なため、税理士に依頼することをお勧めします。当事務所では、やはり財産規模と相続人数などに応じますが、数十万円から百何十万円で対応することが多いです。
 なお、遺産分割協議の内容が、相続税の金額に影響を与えることがありますので、協議の段階で税理士に相談するのが良いでしょう。

 相続の話で難しいのが、遺産の種類や規模によって、さらには相続人の立場や人数によって、検討すべき事項やかかる時間が異なり、その業務の様相が全く異なってくる、というのが多くの事例に関わらせてもらった感想です。
書籍に掲載された代表事例や友人の経験と、ご自身に必要な手続きが完全に同じだとは思わず、それぞれの分野の専門家にご相談されることをお勧めします。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続税のことはもちろん、遺産分割協議や名義変更手続きを含め、相続に関して総合的に支援をいたします。
相続でお困りのことがございましたら、フリーダイヤルハロートヨナカ(0120-86-1047)、またはこちらのリンク先まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

投稿者 税理士法人 岡本会計事務所 | 記事URL

カレンダー

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31