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相続コラム

相続と消費税|相続人が複数いる場合と遺産分割協議

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 賃貸物件を多く相続したとき、消費税を納めなければならない場合や簡易課税制度の手続きについて、前々回及び前回の記事で紹介いたしました。(リンク先につき、前々回前回
 実際の相続では相続人が複数いて、数ある不動産を別々に相続することがあります。
今回はそのときに消費税がどうなるかをお伝えします。

 まず、「課税売上高」を生じる賃貸物件(住宅以外の建物や駐車場が主なもの)が複数あって、どの物件をどの相続人が取得するかが決まっているとき、個々の相続人にとって被相続人(亡くなった人)の課税売上高として判断に使われるのは、各相続人が相続した物件の部分に限られます

 前々回の例を持ち出しますと、毎年840万円(月70万円)の課税売上高があった人が平成27年4月末に死亡して、もともと毎年360万円(月30万円)の課税売上高があった子Aと何も課税売上がなかった子Bが、対象の不動産を半分ずつ相続したとしましょう。
相続の翌年である平成28年は、Aの平成26年の課税売上高は360万円、平成27年前半の課税売上高は250万円(=30×6+35×2)、平成26年の親子の合計の課税売上高は780万円(=(30+35)×12)になるので、消費税の納税義務は生じません。Bはもっと課税売上高が少なくなるので、やはり消費税がかかりません。

 また、被相続人が遺言を残しておらず、どの遺産を複数の相続人のうち誰が受け継ぐかを決める遺産分割協議をする場合には、死亡(相続開始)から協議が成立するまで時間がかかることもよくあります。
その場合、実際に遺産が分割されるまでは、各相続人が共同して賃貸事業を承継したものとして取り扱われます。そして、各相続人の消費税の納税義務の判定において、被相続人の課税売上高は、各相続人の民法上の相続分に応じた割合を掛けた金額になります。
相続人が子2人だけの場合は、相続分が2分の1ずつになるので、被相続人の課税売上高を半分にして、それぞれの子ごとに判定します。

 ここで、遺産分割協議の結果、相続分とは異なる割合で相続人が賃貸物件を相続することも生じます。遺産分割協議が長期間かかって年をまたぐこともあります。
そうすると、共同事業を営むとして相続分に従って消費税の納税義務を一度判定したのに、遺産分割協議の成立後に改めて判定し直さなければならないのか、疑問が生じるでしょう。
 今年4月の国税庁のホームページに、こうした場合の取扱いが示されました。そこでは、「判定時点での適正な事実関係に基づき、消費税関係法令等の規定に従って納税義務が判定されたものである場合には、その判定が認められるものと解するのが相当である」と考えて差し支えないと記されています。つまり、協議成立前の判定が生きるわけです。

 豊中に事務所があります岡本会計事務所では、相続のことも個人事業の決算や税金のことも、両方に目を配った支援をいたします。
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